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人民元が切り上げ!円高の可能性を考えてみるA
先月に引き続き、人民元切り上げによる円高の可能性を考えていきます。先月は米国が成長を維持できる仕組み(米国民が旺盛に消費するためには他国が米国債を購入していることで成長を維持している)を理解していただきました。
米国財政赤字は、アジアからのドル安けん制が賄っている 米国が成長できる仕組みを専門的な言葉で表現すると、経常収支赤字は財政赤字で賄われているということになります。 ここで、米国の双子、2つの赤字が密接に関連します。米国に輸出する日本や中国、その他の国から見れば、ドル安(自国通貨高)になることは、米国からの輸入が減るおそれがあるので好ましくありません。そのためドル安の傾向が出てくれば、為替介入してドル安を抑制しようとします。そうすると、米国債を買う事になるので、米国はますます消費促進策を打てるようになります。ある意味、良い循環です。(既に大量の米国債を保有している各国にとっても、ドル安は保有資産の下落につながり、好ましくない) この流れは、違う面から見ると、米国債を買うために、日本国の資金を使っていることになります。そしてその資金は、日本国民の税金と、国債で調達された資金(それを払っているのはもちろん日本国民)です。しかし一方、米国民が日本のモノを買ってくれることが、日本企業の成長を支えている事も事実です。03年の日本のGDP成長率は1.9%でしたが、輸出はその9.9%を占めています。これは、8.0%の他部門のマイナスを補ってあまりある数字です。最近ようやく、個人消費や設備投資=内需がプラスの状態に変わってきておりますが、これだけ影響があるので、日本としては米国債を買わないで円高放置という選択は取りえないところです。日本は輸出国家のため、重大問題ですが、他の国でも多かれ少なかれ同様の状況にあり、米国債は買わざるを得ない。中国も、台湾も、韓国も、外貨準備がどんどん増えている、との記事がしばしば見かけられるのはそのためです。
双子の赤字はドル安を招く原因ではなく、ドル安けん制努力の結果 こうして、米国の双子の赤字は密接に絡み合っており、縮小より拡大する方向に働きがちになります。そして、為替レートもドル安(円高)への動きは強まるが、決して一方的に進行する事はない、ということになります。逆にドル高になることは、それを止めようとする動機はどの主体にも働きませんが、米国以外の政府も必要以上に米国債を買いたいわけではないのです。結局、人民元切り上げにより、一方的に円高に進むことは考えにくいと言ってよいと思われます。
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